一般社団法人日本冷凍食品協会(にほんれいとうしょくひんきょうかい(略称:冷食協)英語表記:Japan Frozen Food Association)は、冷凍食品を製造する日本の企業・団体を主な会員とする業界団体です。

審査

工場認定の為の申請書を提出した後の認定調査とその内容、審査方法などについて説明しています。

1. 認定調査

(1)書類審査

冷凍食品認定制度に基づく工場認定は、協会の会員であり、会員の工場で冷凍食品を製造している所が対象となります。初めて認定を希望する工場からは先ず「制度解説4.認定までの流れ」をご覧頂き、「申請方法」に記載してある通り、様式1.1〜1.9まで(海外工場の場合は様式2も必要です。)を提出頂く必要があります。またこれら様式に加えて、様式1.5に規定する各種図面、様式1.9に規定する製造工程の記録等各種の書類等が必要になります。図面には対象となる製品を製造するのに関連する範囲が全て含まれる必要があり、認定後に図面に含まれない範囲で認定証票付き製品を製造する場合には、新たに様式5.2と必要書類を提出頂き、検査協会による調査が必要となる場合があります。

申請に必要な様式には内容を漏れなく記入する必要があり、未記入があった場合や、様式に規定する図面や書類が不足する場合は、認定調査を行うことが出来ません。不足がある場合は、協会で行う書類審査でその旨を申請した工場に伝えますので、ご準備下さい。

また下記の内容は申請に際しての必須要件ですので、これが満たされていない場合は申請を受理することが出来ませんので予めご注意下さい。

工場の必須要件
  • 1  様式1.2

    格付依頼数量の合計が60トン以上であること。必然的に生産数量も60トン以上であること。更新審査の場合は様式8、9に記載すること。

  • 2  様式1.4

    品質管理並びに品質保証を行なう部署を設置すること。当該部署は、製造部門等他部門の意見によらず製品の衛生・品質に関する判断が出来るように、組織上、製造部門等他部門と切り離し、それが組織図等の文書より確認出来ること。なお、品質管理責任者は工場に品質管理の専任として常駐すること。他部門と兼任せざるをえない場合は、あくまで品質管理部門の仕事を優先することが規定並びに記録から確認出来ること。また、品質管理責任者の権限には、製品の出荷停止や回収に関する内容が含まれていること。

  • 3  様式1.8②

    製品が急速凍結され、出荷まで製品品温を-18℃以下に保つこと。

  • 4  様式1.8③

    冷凍食品の衛生・品質管理の基本要件である製品等の微生物レベルを常時、適切に評価・判定するために必要な検査設備を有し、製品等の微生物レベルの評価・判定を自らの工場で実施できる検査室を原則工場敷地内に有していること。また、実際に品質や衛生管理が行われていること。

  • 5  様式2

    海外工場の場合は、国内の会員企業が出資している合弁会社が協会員であり、合弁会社が所有する工場において国内の会員企業が指導・管理を行えること。国内の会員企業に当該工場の窓口を設けること。

(2)認定調査

書類審査が終了すると申請書並びに資料は検査協会に送られ、工場が所在する地域を担当する検査協会の検査所より、申請書を提出した工場に認定調査の日程の確認が行われると共に、認定調査当日に準備頂く文書や記録類のリストが工場に送付されます。検査所の担当する地域は下表をご覧下さい。また各検査所の連絡先は検査協会のHPに掲載されています(検査協会のHPへ http://www.jffic.or.jp/corporation/office)。海外工場は、検査所として担当する国を決めてはおりません。

検査協会各検査所の担当都道府県

検査所 担当地区
札幌 北海道
仙台 青森県
岩手県
宮城県
秋田県
山形県
福島県
東京 茨城県
栃木県
群馬県
埼玉県
千葉県
東京都
神奈川県
新潟県
山梨県
静岡県
名古屋 富山県
石川県
福井県
長野県
岐阜県
愛知県
三重県
検査所 担当地区
関西 滋賀県
京都府
大阪府
兵庫県
奈良県
和歌山県
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
徳島県
香川県
愛媛県
高知県
福岡 山口県
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県
大分県
宮崎県
鹿児島県
沖縄県

また、準備頂く文書や記録類のリストは下記pdfファイルをご覧下さい。

認定調査時に準備頂く文書・記録類

備考:

認定調査当日は検査所の担当者(最低2名)が朝から工場に伺い、二日(必要に応じて三日以上となる場合があります)かけて工場の調査を行います。調査する内容は「冷凍食品認定制度」の第2編から第5編に関してであり、第3編から第5編については、申請した品目に含まれる製品で確認され、適合か否かが報告されます。

第2編「冷凍食品製造工場認定基準」には「Ⅰ. 品質・衛生管理体制に係わる基準」(以下基準Ⅰ)と「Ⅱ. 施設・設備に係わる基準」(以下基準Ⅱ)が含まれており、基準の内容を項目別に分けて文書や記録の確認、聞き取り、製造現場での目視確認等によって行われます。調査の考え方は、工場の管理体制とその運用状況について、適切な規定に則って業務が行なわれ、その結果を保管されている記録をサンプリングして確認します。

(3)認定調査の内容

Ⅰ. 品質・衛生管理体制に係る項目
  1. 関係法令の理解と遵守
  2. 責任と権限の明確な組織
  3. 従業員に関する管理
  4. 従業員の品質管理・衛生教育
  5. 品質検査・衛生検査体制
  6. クレームへの対応と再発防止体制
  7. 原材料の管理
  8. 製品管理
  9. 工程管理基準の整備と運用(HACCP的管理手法の導入)
  10. 冷凍食品製造工場で実施すべき、その他の衛生管理項目
  11. 文書及び記録管理規定
Ⅱ. 施設・設備に係る項目
  1. 工場敷地内環境
  2. 作業場施設の構造
  3. 工場内設備の要件
  4. 原材料保管施設
  5. 製品保管施設
  6. その他の施設
  7. 機械器具および搬送装置
  8. 品質および衛生管理施設

基準Ⅰ及びⅡに含まれる個別項目数と配点

基準 Ⅰ. 品質・衛生管理体制に係る項目
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 小計
個別項目 9 9 11 8 11 8 11 8 8 11 11 105
配点 45 45 55 40 55 40 55 40 40 55 55 525
基準 Ⅱ. 施設・設備に係る項目 Ⅰ、Ⅱ
総計
1 2 3 4 5 6 7 8 小計
個別項目 5 10 9 10 5 14 8 5 66 171
配点 25 50 45 50 25 70 40 25 330 855

各項目には夫々個別項目(上記参照)が定められています。個別項目の数は項目によって異なっていますが、平成23年の改定によりその調整が行われた結果、基準Ⅰではその合計が105、基準Ⅱでは同じく66の合計171となりました。認定調査では個別項目毎に判定を行い、項目毎の評点、基準毎の評点をつけることになります。

また、個別項目の内容は下記pdfファイルをご覧下さい。

認定調査で確認する個別項目の内容

(4)調査配点

個別項目は下記の基準に従って5点法で評価します。

  • 5点:項目の基準を満たしている。
  • 4点:項目の基準を満たしていない点がまれにあるが、直接製品の品質に悪影響を及ぼすことは考えにくい状態である。
  • 3点:ある程度項目の基準を満たしてはいるが、一部基準を満たしていないものがあり、そのことが直接製品の品質に悪影響を及ぼす可能性がある。
  • 2点:一部は項目の基準を満たしてはいるが、基準を満たしていないものが多数認められ、そのことが直接製品の品質に悪影響を及ぼす可能性が高い。
  • 1点:ほとんど項目の基準を満たしておらず、既に製品の品質に悪影響を及ぼし始めている。
  • 0点:上記に該当しないほど、全く何も配慮されていない場合、該当する項目の内容が検討すらされていない場合。

項目毎の配点は上記の表をご覧下さい。結果として基準Ⅰは525点、基準Ⅱは330点が満点となります。個別項目の内容が対象工場に存在しない場合は、該当しない個別項目は-判定として配点より除き、残りの項目の合計数×5点を満点とします。

項目毎に個別項目の合計得点を出し、その項目の満点を分母として100点満点における得点を算出します。その際、得点の小数点第1位を四捨五入して整数を表示します。

例)個別項目数が10だが、-が1項目あり、1項目が5点、2項目が4点。3項目が3点、2項目が2点、1項目が0点の場合

得点:5点×1+4点×2+3点×3+2点×2+0点×1=26点

配点:5点×(10-1)=45点

100点換算:得点(26点)×100/配点(45点)=57.77…点 →表記は58点

基準Ⅰは11項目、基準Ⅱは8項目において、項目毎に配点と得点を出した上で、基準Ⅰであれば11項目の合計、基準Ⅱであれば8項目の合計を出します。100点換算は、配点合計を分母として100点満点とした時の、得点合計より出します。この場合は小数点第2位で切り捨て小数点第1位までを表示します。

例)基準Ⅱの1~8の項目で、Ⅱ-2の個別項目数が9、Ⅱ-3が同じく8、Ⅱ-7が6と、通常に比べ合計で個別項目数が4少ない場合で、項目数の得点が1~8まで次の様な得点(1:19点、2:38点、3:31点、4:36点、5:21点、6:57点、7:21点、8:24点)であった場合。

得点合計:19点+38点+31点+36点+21点+57点+21点+24点=247点

配点合計:5点×(5+9+8+10+5+14+6+5)=310点

100点換算:得点合計(247点)×100/配点合計(310点)=79.67…点 →表記は79.6点

基準Ⅰ、Ⅱの評点によって認定の有効期間が決まりますが、小数点第1位を四捨五入すると、例えば得点合計が79.5点以上であれば、80点未満でも80点即ち4年(標準)工場となってしまうためにこの方法で評点を計算します。

(5)認定調査報告書

検査員は認定調査により個別項目毎に判定した結果をまとめた「冷凍食品認定制度 冷凍食品製造工場 認定調査報告書」(以下、報告書)を作成します。この報告書には個別項目毎の判定結果と個別項目の得点が1点以下の判定の場合はその判定理由等が記載されます。記載例については下記をご覧下さい。

認定調査報告書記載例

報告書には基準Ⅰの11項目、基準Ⅱの8項目に認定調査の結果が全て記載されると共に、各項目並びに基準Ⅰ、Ⅱの総計点数が纏められた調査結果集計表(下記例参照)も添付されています。

認定調査報告書集計表例

この報告書は検査協会より協会に送られ、「冷凍食品製造工場認定委員会」(以下、認定委員会)で審査され、その後審査結果と共に工場へ送付されます。

なお、認定調査において必須要件等、認定員会で審議すべき内容が判明した場合は、評価点の報告書とは別にその内容に関する報告書が作成されます。

2. 認定審査

(1)認定委員会

認定委員会は協会会長が委嘱した認定委員より構成され、基準Ⅰ、Ⅱに関する報告書と第3から5編に係わる内容を確認した報告書、必要に応じて作成されたその他の報告書を元に、認定申請を行った工場に対して「冷凍食品製造工場認定要領」(以下、要領)に従って審査を行います。

(2)審査と有効期間

審査は要領の第6条に記載の通り、第2編の基準Ⅰ、Ⅱの評点がいずれも60点以上で、かつ基準Ⅰ、Ⅱの各項目の全て(基準Ⅰについては11項目、基準Ⅱについては8項目)が30点以上であること、第3から5編の基準が適合である場合に工場を認定します。認定基準に適合の場合は基本的に基準Ⅰ、Ⅱの評価点に応じて有効期間の査定を行います(下表参照)。

第2編 第3編
基準
第4編
基準
第5編
基準
認定の更新期間
Ⅰの評点 Ⅱの評点
80点以上
全項目
30点以上
80点以上
全項目
30点以上
適合 適合 適合 4年(標準)
工場
70点以上
全項目
30点以上
70点以上
全項目
30点以上
適合 適合 適合 3年(短期)
工場
60点以上
全項目
30点以上
60点以上
全項目
30点以上
適合 適合 適合 2年(短期)
工場

基準Ⅰ、Ⅱの評点がいずれも60点以上で、かつ基準Ⅰ、Ⅱの各項目の全てが30点以上である場合でも、認定制度の要綱・要領で求められる品質保証に係わる重大な欠点があると認定委員会で判定された場合、認定もしくは更新有効期間が短縮される場合があります。

審査による有効期間の査定は、原則要領の第6条に則って行われますが、認定調査によって新たに要領の第10条に記載する認定の取消しに該当する内容が判明した場合は、第2編の点数の如何、第3から5編の基準適合の有無に依らず、認定不適合となる場合があります。認定不適合の例では、必須要件である微生物検査室が工場に無く工場で微生物検査が行われていなかった場合、工場が認定されていないにも関わらず認定証票を貼付した製品を製造販売した場合があり、前者は工場に微生物検査室を設置して微生物検査が行われるまで、後者は不適合に加え一定期間認定を認めない欠格期間が加わることもありますので、充分注意して下さい。

(3)留意事項

有効期間の査定は基準Ⅰ、Ⅱの評価点によって決まりますが、この評価点は基準Ⅰであれば11、基準Ⅱであれば8項目の総合的な点数であるため、得点合計では高くても項目毎の点数が極めて低い場合もあることが判りました。

これを受けて認定委員会では、自主的に改善を進めるに際し、優先的に改善に取り組むべき項目として留意事項を設定しました。基準Ⅰ、Ⅱの評価点は60点未満の場合に不適合となることから、有効期間4年の工場では基準Ⅰ、Ⅱの合計19項目の内、60点未満となる項目を、有効期間3年の工場は評価点が4年工場の80点以上に比し10点低い70点以上であることから、留意事項も10点低い50点未満、同様に2年工場では40点未満の項目を留意事項としました。

留意事項は認定通知を行うのと同時に、文書にて対象工場へ知らせています。留意事項は定期検査の際にも優先的に確認され、自主的な改善が進まない場合は工場指導のない4年工場であっても追加の対応をお願いする場合があります。

(4)認定更新審査

認定工場には有効期間(2~4年)が査定されますので、有効期間終了後も引き続き認定を求める場合は認定の更新審査を受け、新たに有効期間の査定を受ける必要があります。

更新を行うには、申請方法に従って様式8、9並びに工場の組織図、図面、その他調査に必要と思われる書類を提出頂く必要があります。

書類審査の後は、“1. 認定調査”の内容と同じ調査が行われ、“2. 認定審査”と同じように認定委員会により更新が審査されます。

(5)認定品目の追加並びに認定範囲の変更若しくは拡大

1  認定品目の追加

認定の申請に際して、新規認定の場合は様式1.2で認定を受けたい冷凍食品の品目を申請し、更新認定時には様式8で現在の認定品目並びに品目の追加について申請することができます。現在認定されている品目以外で、更新審査を待たず認定品目の追加を行いたい場合は、様式5にその旨を記載して申請することができます。

この場合は、様式5に加えて申請方法に従って必要な書類を提出頂き、書類審査を行い、その後、“1. 認定調査”の内容と同じ調査が行われ、“2. 認定審査”と同じように認定委員会により追加品目の認定が審査されます。

品目の追加が認定された場合は、現状の認定品目に対する追加認定となりますので、認定の有効期間は既に査定されている有効期間と同じになります。

2  認定範囲の変更又は拡大

認定の申請に際して届けた品目は同じだが、認定対象となった範囲を変更又は拡大したい場合は、様式5.2にその旨を記載して申請することができます。

この場合は、様式5.2に加えて申請方法に従って必要な書類を提出頂き、書類審査を行いますが、その後は範囲の変更や拡大の状況によって定期検査時に内容を確認するに留まったり、“1. 認定調査”の内容と同じ調査が行われる場合があります。認定審査も状況に応じて、事務局にて判断される場合、 “2. 認定審査”と同じように認定委員会により範囲の変更や拡大の認定が審査される場合があります。

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