冷凍食品の高度化基準
1.製造過程の管理の高度化の目標
事業者は、冷凍食品の製造過程に次のようにコーデックス7原則12手順を適用して製造過程の管理の高度化を図ることとし、このための建物の整備、機械・装置の整備を行うとともに、その運用体制の整備も併せて行うこととする。
[コーデックスの7原則12手順]
- HACCP専門家チームの編成
- 製品の原材料、保存条件、流通方法等製品に関する文書の作成
- 消費者が製品を摂取する際の形態を特定
- すべての工程を含んだ製品の製造過程図の作成
- 製造過程図の現地確認
- 各工程のすべての危害をリストアップして評価し、危害の管理方法を検討(原則1)
- (6)でリストアップされた危害の発生を除去し、または許容できる水準まで軽減することが必要な重要管理点を 特定(原則2)
- (7)の重要管理点について、危害の発生を防止するため管理基準を設定(原則3)
- 重要管理点を適切な頻度で監視するシステムの設定(原則4)
- (9)の監視のシステムで、異常を発見した場合の改善措置を設定(原則5)
- (9)の監視システムの検証の手順の設定(原則6)
- (1)から(11)までの手順の文書の備え置き及び(9)の監視システムによる記録が行われるよう文書を作成(原則7)
2. 製造過程の管理の高度化の内容に関する基準
(1)対象品目及び品目の製造過程
冷凍食品を対象とする。
冷凍食品の製造過程の管理の高度化は、製造し、又は加工した食品(食肉製品、鯨肉製品及び魚肉ねり製品を除く。)及び切身又はむき身にした鮮魚介類を凍結させたものであって、容器包装に入れられたものについての一般的な製造過程を前提として取り組むものとする。なお、〔 〕は製品の種類によっては必ずしも必要としない工程である。
1)加熱工程のある冷凍食品の一般的製造工程

2)加熱工程がなく洗浄工程のある冷凍食品の一般的製造工程

3)加熱及び洗浄工程のない冷凍食品の一般的製造工程

(2)製造過程の管理の高度化を図るための施設の整備の基準
次を満たすことを必要とする。
1)建物・構造基準
1.区画の分離等
- 加熱工程のある冷凍食品については加熱工程の後の工程から、加熱工程がなく洗浄 工程のある冷凍食品については最終洗浄工程の後の工程から、加熱及び洗浄工程のない冷凍食品については原料の受入・保管工程の後の工程からそれぞれ包装工程までの過程を清浄区域とし、他の区域と原則として隔壁で仕切られていること。ただし、隔壁以外の方法により、二次汚染が防止される場合は、この限りでない。
- その他必要に応じ、他の区域において隔壁での仕切りを行うことができる。
- 原材料の受入から製品の出荷までの過程が交差せずに配置される十分な広さを有 すること。
2.付属設備
- 清浄作業区域内の空気を清浄に保つための設備が備わっていること。
- 必要に応じ、他の区域の空気を清浄に保つための設備が備えることができる。
- 必要に応じ、清浄区域内の室温を管理できる設備を備えることができる。
- その他必要に応じ、ドックシェルター、エアシャワー設備、衛生環境整備のための排水設備、自動式等の手洗い設備、靴殺菌設備、清浄作業区専用の作業着更衣設備等の付属設備を備えることができる。
2)機械・装備基準
1.機械・装置の配置
- 原材料の受入から製品の出荷までの過程が交差しないように、製造過程の原材料保管冷蔵・冷凍施設、前処理・調理加工装置、成型装置、加熱処理する際の加熱処理装置(焼成装置、蒸煮装置等)、冷却装置、凍結装置、包装装置、製品保管冷凍施設、洗浄・殺菌設備が適切に配置されていること。
2.分析・管理装置
- 必要に応じ、加熱工程及び冷却工程の温度及び時間を常時監視し、記録する機械・装置を設置することができる。
- その他必要に応じ、原材料保管冷凍・冷蔵施設の室温、前処理・調理加工等の作業施設の室温、冷却施設の室温、凍結施設の室温、包装作業施設の室温、製品保管冷凍施設の室温を常時監視し記録する機械・装置、原材料及び製造過程にある製品の分析装置(例えば、pHメーター、金属検出機、軟ソフトX線等)等を設置することができる。
3.冷蔵施設(凍結施設を含む)
- 必要に応じ、原材料の保管、冷却、製品の保管のための冷蔵・冷凍施設を個別に設置することができる。
4.その他の施設
- 必要に応じ、生産施設の整備を図ることができる。
(3)製造過程の管理の高度化を図るための運用体制の整備の基準
次を満たすことを必要とする。
なお、このうち、1,2,3,4,9及び11については、施設の整備前に行われるものとする。
1.HACCPチームの編成
- 冷凍食品の製造工程について専門的な知識と技術を有する者をメンバーとする専 門家チームが編成されていること。
- HACCPチームは製造施設の最高責任者をリーダーとし、製造管理の責任者、品 質管理の責任者、施設管理の責任者等で構成する。
- HACCPチームは以下の業務を行う。
1) HACCPプランの作成と導入
2) 従業員の教育訓練
3) HACCPプランの見直しと修正
4) 検証の実施と評価
2.製造過程図及び施設の図面の作成
- 原材料の受入から最終製品の出荷に至る冷凍食品の一連の製造工程の流れを記載した製造過程図が作成されていること。
- 以下に掲げる施設の図面が作成されていること。
1) 製造工程における製品等の移動の経路を示す図面及び工場内の施設の配置を示す図面
2) 従業者の動線を示す図面
3) 清浄度の区分を示す図面
3.危害分析
- 製造過程図に従って、製造工程ごとに以下の項目を記載した危害リストが作成されていること。
1) 危害の発生する可能性のある原材料又は工程
2) 各原材料又は工程における危害の原因物質又はその概要
3) 各原材料又は工程における危害の発生要因
4) 危害を制御するための防止措置
4.重要管理点の決定
- 危害分析の結果明らかにされた危害の発生を防止するため、特に重点的に管理すべき工程が重要管理点として定められていること。
- 重要管理点はあらかじめ設定したモニタリング方法で連続的又は相当の頻度で監視し、そのパラメーターが管理基準を逸脱した場合には短時間のうちに改善措置を行うことによって危害のコントロールが可能な工程とする。
- 加熱工程のある冷凍食品については加熱工程を、加熱工程がなく洗浄工程のある冷凍食品については最終洗浄工程を、加熱及び洗浄工程のない冷凍食品については原材料の受入・保管工程をそれぞれ管理点とする。
また、副工程(副原料)についても主工程(主原料)にならって管理点を定めることとする。
5.管理基準の設定
- すべての重要管理点に対し、必ず一つ以上の管理基準が設定されていること。
- 管理基準は、危害原因物質が許容範囲にまで低減されていることを確認するためのものであり、科学的根拠で立証された数値でかつ可能な限りリアルタイムで判断できる指標を用いる。
6.監視方法及び改善措置の設定
- 重要管理点において管理基準を逸脱していないことを確認するため、連続的又は相当の頻度で重要管理点を監視し、その結果を記録するための体制が整えられていること。
- 管理基準の逸脱が判明した場合には、管理基準の逸脱により影響を受けた製品を排除し、管理状況を迅速に正常に戻すための改善措置の方法が定められていること。
7.検証方法の設定
- HACCPシステムが正しく機能しているか否かについての検証方法が定められていること。
8.文書の作成及び保存
- 危害分析、重要管理点の特定、管理基準の設定についての手順等が文書化され、また、監視システムによる記録、改善措置等の記録を保存するための体制が整えられていること。
9.専門的知識を有する人材の育成又は確保
- HACCPシステムによる衛生管理の実施計画を作成し、かつそれを適正に実施するために必要となる専門知識を習得する者を専門家チームの構成メンバーとして選任、育成するための取組が定められていること。
なお、専門家チームには、必要に応じて、外部機関の専門家を専門家チームに参加させる取組が定められていること。
10.従業員教育
- 従業員に対する一般的衛生管理及びHACCPシステムに係る教育訓練等についての取組が定められていること。
11.検証に係る経営者の関与
- 経営者は、HACCPシステムの導入に際して、自らその目的意識と推進意欲を表明し、それらを全従業員に対し理解させることが定められていること。また、経営者は、1から10について関与することが定められていること。
3. その他
(1)製造過程の管理の高度化の前提となる一般的衛生管理の実施に配慮された機械・装置の 導入のための取組
製造過程の管理の高度化の前提となる一般的衛生管理の実施に配慮された機械・装置を導入する取組について定められていることが望ましい。
(2)高度化された製造過程の管理についての消費者等への情報提供のための取組
消費者や取引業者に対する高度化された製造過程の管理についての情報の提供を推進する取組について定められていることが望ましい。
