よくあるご質問

よくあるご質問Q&A

冷凍食品について正しい理解と知識を深めるためのQ&Aです。 このページでは、これまで当協会で実施してきた講演会・調理講習会の場で、受講者の皆様から寄せられました数多くのさまざまな質問の中から、とくに頻度の高い質問をとりあげて、その回答をできるだけ簡潔に分かりやすくまとめたものです。

冷凍食品についての正しい理解と知識をさらに深めていただき、豊かな食生活のための食材として、冷凍食品をますますご活用いただければ幸いです。

お問い合わせの多い質問

冷凍食品に保存料を使用していますか? また食品添加物は使われていますか?

冷凍食品には、保存料が使用されていません。−18℃以下の低温で保存すると、腐敗や食中毒の原因となる細菌が活動できないため、保存料を使用する必要がないのです。

食品添加物は、食品衛生法で使用が認められているものは使われている場合があります。

〈例〉冷凍食品に使用されている食品添加物の主なもの

  • コロッケ・・・調味料・膨張剤・着色料
  • ハンバーグ・・・調味料
冷凍野菜は凍結前に加熱しているのですか? ブランチングとは何ですか?またどのように加熱処理しているのですか?

大根おろしや山芋など一部の例外を除き、ほとんどの冷凍野菜は、急速凍結する前に、90〜100℃位の熱湯に漬けたり蒸気にあてて調理加熱の70〜80%程度加熱します。これを「ブランチング」といいます。加熱時間は野菜の種類・大きさ・熟度などによって異なりますが、グリンピース、ほうれん草などは1〜1.5分、アスパラガスは2〜3分位です。

ブランチングの目的は、加熱により野菜の持っている酵素を不活性化させて貯蔵中の変質や変色を防いだり、組織を軟化させて凍結による組織の破損を防ぐためです。そのため、解凍調理する場合には加熱し過ぎにならないよう十分注意することが重要です。

冷凍食品の購入時の注意点は何ですか?

冷凍食品の品質は、保管・輸送・配送・小売など、各段階での取扱い(温度管理)の良否によって変わります。管理の良いお店などから、以下の点を確かめて購入するようにしましょう。

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  1. 品温が-18℃以下のもの

    売り場の冷凍ショーケースについている温度計を確かめ、−18℃以下に保たれているケースの商品を選んで購入しましょう。ロードライン(積荷限界線)以下に陳列されているかどうかチェックしましょう。

  2. ガッチリ凍っているもの

    品温が−18℃以下ならば当然ガッチリ凍っています。カチンカチンに凍っているものが良い冷凍食品です。

  3. 包装がしっかりしているもの

    包装が破れているものは不衛生であり、乾燥や色の変化など、品質が低下しているおそれがあります。

  4. きちんと表示してあるもの

    冷凍食品には、名称、原材料名、原料原産地名(法に定められたもの)、内容量、賞味期限、保存方法、凍結前加熱の有無、加熱調理の必要性、製造者名などを表示することになっています。それらの必要な事項がきちんと表示されているかどうかを確認しましょう。

  5. 「認定証」マークのついているもの

    「認定証」マークのついているものは、(一社)日本冷凍食品協会の「冷凍食品認定制度」により認定された工場で製造された製品です。このマークのついているものは信頼の証です。

水産冷凍食品の上手な解凍方法は?冷凍食品の『刺身用マグロ』を解凍したら血のような液汁が出ましたが、なぜですか?

水産冷凍食品は、調理前に“半解凍”にすることが重要です。半解凍とは、生食用、加熱用いずれの場合も、基本的にはドリップ(液汁)の流出を少なくするために、外側がやわらかくなっても中心部がまだ凍っている程度の状態にすることです。(具体的な解凍方法はをご覧ください)

解凍した時にマグロから出る液汁は、ドリップと呼ばれるものです。

ドリップとは、凍結・解凍の際に破損した食品組織の水分や栄養分、うま味成分のことです。生ものを解凍する場合は、冷蔵室や氷水中などの低温でゆっくり解凍し、できるだけドリップが出ないように注意しましょう。

主な解凍方法
  • 低温解凍

    包装のまま冷蔵室内でゆっくり解凍します。ただし、刺身用マグロは包装から取り出し、2%程度の食塩水を浸した清潔なふきんで包みます。時間はかかりますが、品質的には好ましい方法です。

  • 自然解凍

    包装のまま室内の涼しい所で自然に解凍します。

  • 水中解凍

    急ぐ場合は、包装のままポリ袋に入れ、中の空気を抜いて口を堅く閉じ、水道水(流水)などにつけます。ドリップの流出など品質が劣化する場合があります。

  • 氷水中解凍

    包装のままポリ袋に入れ、中の空気を抜いて口を堅く閉じ、氷水につけます。

自然解凍で食べられるものはどのようなものですか?

自然解凍や水中解凍可能な商品にはその旨の記載があります。それ以外の商品も、必ずパッケージの表記に従って加熱調理してください。

ホームフリージングのポイントは?ホームフリージングに向く食品はどのようなものですか?

家庭用の冷凍室内の温度は通常−18℃程度で、購入した冷凍食品を保存するには適していますが、食品を凍結するには不十分で、解凍した時に元の品質に戻らなくなってしまうことがあります。

ホームフリージングをする際には、以下のポイントに注意して下さい。

  • 1 なるべく速く凍らせる

    食品をあらかじめ冷やし、熱伝導性の良い容器に食品の厚さを薄くして並べて、冷凍室の温度調節を最も冷える状態にセットして凍結します。冷凍室の急速凍結機能があればそれを利用してください。

  • 2 しっかり包む

    乾燥や脂肪の酸化を防ぐため、ラップやポリ袋などでできるだけ空気を遮断してください。

  • 3 衛生的に取り扱う

    フリージング前の取扱いは、手や道具・器具をよく洗うなど衛生に気をつけ、微生物、異物などの汚染を防いでください。

  • 4 早めに使い切る

    緩慢凍結による組織の傷みや保存中の品温変化により品質低下が早く進む場合があるので、2〜3週間以内に使い切ってください。

また、一般的にはホームフリージングに向く食品と向かない食品があります。

  • ホームフリージングに向くもの・・・ パン、ごはん、もち、納豆など
  • ホームフリージングに向かないもの ・・・ 卵、牛乳、豆腐、こんにゃくなど

冷凍食品あなたの疑問にお答えします

1.冷凍食品は保存料を使っているのですか?

 冷凍食品は、保存料を使う必要がありません。−18℃以下の低温で保存すると、腐敗や食中毒の原因となる細菌が活動できないため、保存料やそれに代わる食品添加物を使用する必要がないのです。

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2.冷凍食品には食品添加物が入っているのでは?

 冷凍食品に限らず、加工食品には必要に応じて食品添加物が使われています。市販されている加工食品に使われている食品添加物は、必ず厚生労働省の認可を受けたもので、規定量を守って使われています。食品添加物の安全性については、食品安全委員会が評価を行っており、人の健康を損なうおそれのない場合に限って、成分の規格や使用の基準を定めたうえで、使用が認められています。
 また、使用が認められた食品添加物についても、厚生労働省が国民一人当たりの摂取量を調査するなど、安全の確保に努めています。

参考:厚生労働省ホームページ 食品添加物

 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuten/

3.食べ物は冷凍すると、栄養や味が落ちてしまうのでは?

 冷凍食品工場では、低温でできるだけ短時間で凍結しています。食品中の水分が凍り始める-1℃から、ほぼ凍結する-5℃の間を最大氷結晶生成温度帯といいますが、その温度帯を急速に通過させることで、食品組織の損傷を極力少なくしています。この方法は急速凍結と呼ばれ、食品の栄養やおいしさをそのまま保つことができます。冷凍野菜などは、旬の時期に収穫して急速凍結していますが、旬の時期の栄養もほぼそのまま保つことができるので、時期によっては生鮮のものより栄養がある場合もあります。
 また、製造後も-18℃以下の冷凍庫で温度変化をできるだけ少なくして保存した場合、品目にもよりますが、概ね1年間は最初の品質が保たれることが、これまでの研究や実験で明らかになっています。例えば、グリーンピースの保存による実験結果では、-18℃で保存することで、ビタミンCは1年経っても大きな減少はみられません。
ただし、家庭の冷凍庫は開閉が頻繁で温度変化が起きやすいので、購入後2~3ヶ月を目安に使い切りましょう。

生鮮ほうれん草と冷凍ほうれん草のビタミンC含有量(国産)

生鮮ほうれん草と冷凍ほうれん草のビタミンC含有量(国産)

グリーンピースのビタミンC保持に及ぼす温度の影響

グリーンピースのビタミンC保持に及ぼす温度の影響

4.冷凍食品ばかり食べていると、栄養が偏りませんか?

 栄養が偏ってしまう原因は、偏った食生活です。同じ食べ物を食べ続ければ、冷凍食品でなくとも栄養が偏ってしまいます。重要なのは食事のバランスです。冷凍食品は、主食、主菜・副菜、野菜・果実、デザートなど、多種多様な食品が提供されており、その適切な組合せ次第で、望ましい栄養管理が可能です。また、市販用冷凍食品には栄養成分の表示が義務づけられているため、むしろ栄養管理がしやすいといえます。

5.冷凍食品を使うと手抜きと感じてしまうのですが?

 冷凍食品は簡単に調理できてしまうため、「手抜き」と感じてしまうかもしれません。ですが、「手抜き」ではなく、冷凍食品を使って時間を有効活用する「手間抜き」と考えてください。冷凍食品は前処理されているので、調理時間が短縮できます。空いた時間でもう1品作る、家族との時間を過ごすなど、冷凍食品を使うことでできた時間を有効に使うことができます。様々な調理冷凍食品をアレンジしたメニューを作れば、すべて手作りするよりも簡単に手の込んだメニューも可能になります。

6.冷凍食品を使うと割高になりませんか?

 冷凍食品は、旬の時期の生鮮品や、すべて手作りした場合に比べると、割高に感じることがあるかもしれません。
しかし、生鮮品は天候の影響などで不作となり、価格が高騰することがあります。冷凍食品は旬の時期にまとめて収穫し生産するため、1年を通じて安定した価格で提供されています。
また、手作りした場合、少量だと材料を無駄にしてしまうことがありますが、冷凍食品であれば使いたい分だけ使うことができるので、そのようなことはありません。さらに、前処理されているので、手作りよりも時間を短縮することができます。

7.冷凍食品はどのような安全管理を行っているのですか?

 冷凍食品には食品衛生法に基づき規格・基準が制定されていますが、冷凍食品企業は、その基準を遵守するため、厳しい品質・衛生管理を行って製造しています。
さらに、当協会では、「冷凍食品認定制度」を設け、冷凍食品工場の品質・衛生管理レベルが一定基準以上に達しているかについて、現場での詳細な調査と厳格な審査に基づき判断しています。一定基準をクリアした工場は「冷凍食品認定工場」として認定され、その「冷凍食品認定工場」で製造された冷凍食品のうち、品質、表示および衛生基準に適合していることを確認されたものには「認定証マーク」を付けることができます。

冷凍食品認定制度について、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

8.冷凍食品は中国産が多くて不安です。

 冷凍食品を中国で生産する日本企業では、日本から社員を派遣し、日本と同じレベルの品質管理体制で生産している企業が大半です。中国国内でも2015年に食品安全法が改正されており、安全性が高まっていますが、特に輸出向けは、工場での原料や製品の検査に加え、中国政府による輸出検査など多段階の厳重なチェックが実施されています。
また、輸入食品については、厚生労働省が食品衛生法に基づき、輸入港で厳しい安全検査を行っています。
なお、中国から輸入される食品については、平成26年度において、703,053件の輸入届出件数に対して202件の食品衛生法違反があり、違反率は0.03%でした。一方、全輸出国における違反率は0.04%であり、中国からの輸入食品の違反率が特に高いという状況ではありません。

参考:厚生労働省ホームページ 輸入食品監視業務

 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yunyu_kanshi/index.html

参考:厚生労働省ホームページ 監視指導・統計情報

 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/yunyu_kanshi/kanshi/index.html

よくある冷凍食品への誤解誤認

消費者の皆様から、冷凍食品を利用された際に、異物、調理方法などについて様々なご指摘やお申し出があります。その中で、特に誤解誤認とみられる事例について、その紹介と当協会の見解をまとめました。
冷凍食品について、ご理解を深めて頂くことができれば幸いです。

冷凍食品への植物原材料由来の皮の混入について(PDF)
冷凍食品の電子レンジでの調理について(PDF)
冷凍食品の電子レンジにおける調理不良について(PDF)

参考動画

独立行政法人製品評価技術基盤機構
 http://www.nite.go.jp/jiko/chuikanki/poster/kaden/01240101.html
東京消防庁
 http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/201703/

冷凍食品の袋の膨張について(PDF)
冷凍食品の移り香について(PDF)
冷凍野菜への虫の混入について(PDF)

冷凍食品Q&A(PDF 2025.04版)